Q. 入社してからこれまでを振り返ってどうでしたか?
正直、最初は戸惑いました(笑)過去に所属した組織では、8〜30人もいるデザイナーチームの一員だったので、主にデザイナー同士のコミュニケーションが中心だったんです。
しかし、千ではプロダクトごとにチームが分かれており、複数人のエンジニアに対してデザイナーは私一人だけ。最初はエンジニアさんの使っている言葉が理解できず「異国へ来てしまった…」と思いました(笑)
ただ、自分からチームメンバーへ積極的に質問をしたり、他部署や他チームを訪ねて情報を集めることで、徐々に自分のやるべきことがクリアになっていきました。入社から半年経った今では、一つのプロダクトに集中できるこの開発体制が、ユーザーに価値を届けやすいと感じます。
もっと価値あるものにしたい。
ユーザーインタビューで実感したこと。
プロダクトの現状を把握する中で、「ユーザーの声が十分に反映されていない」という課題に行き着きました。
UIを大幅に変更した後の検証として、実際のユーザーにインタビューをしたいと上司に相談したところ、「ユーザーの声を聞く取り組みは、正直あまりできていなかった。プロダクトの価値を届けるために、ぜひやっていきましょう」と背中を押してくれました。そこから、インタビューとユーザビリティテストの計画、実施、分析、そして結果をチームへ共有するという一連の活動を行いました。
インタビューとユーザビリティテストでは、先生の普段の保育業務について教えていただいたり、管理画面の操作をしている様子を見せていただいたりしました。前提知識は持っているつもりでしたが、やはり目の前にいるユーザーの発話や行動ほど雄弁な情報はありません。この経験から、プロダクトをユーザーにとってもっと価値あるものにしたいという使命感を持つようになりました。
Q. 今やっていることは何ですか?
「はいチーズ!先生撮影プラン」の新機能「枚数カウント」のUXリサーチからUIデザインまでを一貫して行っています(「はいチーズ!先生撮影プラン」:保育園の先生方が撮影した写真をアップロードして販売するサービス)。
この機能の目的は、先生方が手作業で行っている「写真枚数の調整作業」を減らすことです。先生方は、保護者様に写真を公開する際、園児ごとの枚数に偏りが出ないように数を調整されているんですね。厳密に数えていらっしゃる園様だと、何十人もの園児の写真をぴったり同じ枚数に揃えるという大変な作業をされています。その作業を管理画面で自動でできるようにすることで、業務負担を減らすことが狙いです。
まずは手元にある情報で仮説を立て、簡易的なプロトタイプを作成しました。形を作っていると、そもそも「いつ、どこで、誰が、何に、どれくらい困っているのか?」の具体的なイメージが不足していることに気付きます。
幸いなことに、千には元保育士さん・先生が多く在籍しています。その方々を訪ね「先生時代はどうやって集計をしていましたか?」「こんな機能を考えているんですが、率直に感想を聞かせてもらえませんか?」とヒアリングしました。
プロトタイプに対して思いがけないフィードバックがいただけて、非常に有意義な取り組みでした。
ユーザーの声をもとに高速で改善を繰り返したプロトタイプ。
「今すぐにでも使いたい!」その言葉が嬉しかった。
ヒアリングをする中で、園ごとに、撮影・集計・アップロードの方法やフローに違いがあることがわかってきました。しかし、それぞれの数はまだわかっていません。定量的なデータを集めるため、既存ユーザー4,000団体に向けてアンケートを配信しました。
まとまった回答を得られたことで、「どうやらこのような運用をしていて、こんな困りごとを抱えている園様が多いようだ」という目星がつけられるようになりました。
そこから実際の園様にご協力いただき、インタビューとユーザビリティテストを実施。結果を分析してすぐにプロトタイプを修正、またテストをして、修正…という改善のサイクルを高速で回しました。
まだプロトタイプではありましたが、「今すぐにでも使いたい!」「作ってくれてありがとう」なんて声もいただき、とても嬉しかったですね。リサーチの結果はチームメンバーにも共有し、「みんなで良いものを届けよう!」と一致団結して実装に進んでいます。
先生方がいてくれたからこそ今がある。
「はいチーズ!」を通じて心からの感謝を伝えたい。
Q. プロダクトに対する想いを聞かせてください。
私自身も、小学生と保育園児を育てる母親です。保育園には7年弱お世話になっています。
もし子どもを預かってくれる保育園がなければ、子どもの成長を一緒に喜んでくださる先生方がいなければ、大好きなデザインの仕事をここまで続けて来られなかったかもしれません。心から感謝していますし、「はいチーズ!」を通して恩返しがしたいと考えています。
今後も「今やろうとしていることはユーザーに喜んでもらえることか?」「本当に価値を感じてもらえるのか?」を常に自分に問いかけながら、プロダクトを成長させていきたいですね。
作るだけではなく、どんな価値を届けるかまでを考える。
Q. 千でデザイナーとして働く楽しさ、やり甲斐を教えてください。
やはりユーザーの声を聞ける環境でプロダクトを育てていけることが、一番楽しいです。
ただ作ればいい、タスクを捌けばいい、ではなく、ユーザーに提供する価値とその費用対効果まで考えられることにやりがいを感じます。
また、プロダクト同士の繋がりが意外と複雑なところも面白いです。大きな商流を俯瞰しながら、「いま自分は何をすべきか」を考え実行していくことは、他では中々出来ない体験だと思いますね。
部署を超えて一緒にプロダクトを作る楽しさ。
当然ですが、自分一人では仕事はできません。
たとえば今回のユーザーインタビューでは、カスタマーサクセスの方々に日程調整や当日の同席などでご協力をいただきました。色々とお手間をかけたな…と申し訳なく思っていたのですが、実施後に感想を伺ったら「すごく面白かったです!あと20園やりたいです!」なんて言葉を聞けて…!
開発側だけではなく、部署を超えて一つのプロダクトを作る感覚を共有できたのがすごく嬉しかったです。
Q. 中長期でやりたいことは?
プロダクトデザイナーとしてはまだまだ未熟なので、プロフェッショナルとして自立したいですね。UXの領域で「人間中心設計(HCD)」という考え方があるのですが、その認定制度に合格して千のUXデザインをリードしていきたいです。筆記試験ではなく、実際のプロジェクト経験が問われるものなので、そこを意識して日々の業務に励んでいます。
あとはUXリサーチを文化として根付かせる活動ができたらと思っています。
今回のユーザーインタビューはプロジェクトの一環として進めましたが、例えば週次でユーザーインタビューをするような仕組みがあれば、定期的にユーザーの声を聞くことができますよね。簡単なことではありませんが、長期的な目標として取り組んでいきたいです。
当事者意識を持って、主体的に動ける人!
Q. 千にはどんな人が合うと思いますか?
先ほどお伝えしたように、プロダクトごとのチームに少数のデザイナーがアサインされるので、とにかく主体的に行動できる人ではないでしょうか。千のバリューに「Be an Owner(当事者であれ)」がありますが、どんなことにも当事者意識を持って動ける人が評価されていると感じます。
あとは、自分のスタンスを持って判断できる人も強いかなと思います。ユーザーやステークホルダーの声はもちろん聞いた上で、「それでも自分はこう思う」という意志を持つと、物事が前に進んでいきやすいですよね。どんな状況でも「多くの笑顔をつくる選択」をし続けられる人、お待ちしています!